四方山話
 

  昨年新しい工房が完成した折り、心に決めていた事がある。この地に窯を築いて以来、今日に至るまで物心共に強力に私をサポートして下さる方がいる。昨年工房の立替では基本計画から施工に至るまで多大なご尽力を戴いた。まさにこの方のお力添え無くして新工房は実現し得なかったと思っている。

  そこでこの新工房から、これはという一作目の作品が出来たら、それをこの方にプレゼントしようと心に決めていた。工房完成からもうすぐ一年、先日やっとその作品をその方にお届けできた。最新作「白雪志野茶碗」が其れである。深く積もった雪、その奥深い純白を思わせる色調は志野誕生以来400年の歴史に存在しない色合いだと思う。これが完成品とは思っていない。まだまだ改良を加える必要はあるが、将来に期待が持てるその原点となる作品になりそうな予感がする。

  私の様なものに関心を寄せ、サポートして下さる方々、その恩に何も返すものが無いもどかしさを時々感じてしまう。自らの仕事を出来るだけ高めていく、これが今思いつく唯一その恩に報いる手立ての様な気がしています。今後この思いを礎に「白雪志野」の完成度より高めていきたいと思う。


                                                     (11/05/2004)


「白雪志野茶碗高台」
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