四方山話
 

  3月イタリアフィレンツェでの個展予定が先に延期されたため、その気の緩みがここの所仕事を少々停滞させてしまった様です。加え、最近は土に向かうまで大変時間がかかってしまいます。過去のコピーばかりしていてもつまらないし、何か新しい造形表現はないものかと悶々としている時間がやたらと長いのです。際立った才能がある訳ではないので、深刻に悩むことは無いと自分に言い聞かせ、発車直前の電車に飛び乗る気持ちで何とか土練りの作業に入ります。

  そんな調子だから画期的な表現はなかなか生まれないのですが、何か新鮮な表現を求めている気持ちがほんの少しだけ作品に表れて来る事もある様です。今回の新作3点、織部手鉢ではいつもより透明度のある3種類の織部釉を施し、土の質感が全面に出る様試みてみました。蓋物は何か新しい造形表現は無いかと模索しているうちに偶然こんなカタチに行き着いたものです。黒織部茶碗は一見自己主張が強すぎる感はありますが、茶碗表面の肌合いとそのフォルム、茶碗内側の景色、高台など見所も多く表情豊かに仕上がったように思います。さて一仕事が終わり、また悶々とした時間が暫く続きそうです。


                                                     (02/16/2005)


「黒織部茶碗高台、内側」
高台
内側
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