四方山話
 

  今月20日よりイタリアローマで初個展を開催することになった。日本では考えられない一ヶ月を越える会期である。NYでの個展もそうであるが、海外での展覧会は、作品発表に十分な会期を用意して下さる。それは主催者が作品を販売するというビジネスだけに凝り固まるのではなく、片方で作家を世に出す、画廊(主催者)が作家を育てるという使命感を強く持っている様だ。会期の長さ、メディアやコレクターへの働きかけ、作家をより広く知ってもらうためレクチャーのセッティング・・・など親身に作家を世に出すためのサポートを惜しまない。

   先月イタリアより画廊オーナーが来日し、個展最終打ち合わせをした。その折、現地の好みなどの傾向について愚問をしたところ、「作家は売れ筋に迎合することなく自らの信念に基づいて作品発表をしていけば、それで良いのでは・・・」と、きっぱり一喝された。海外で陶芸展を企画する主催者は、「陶芸家=アーティスト」と見なす傾向がある。何年も同じ様な仕事をひたすらコピーするだけの陶芸家は、「アーティスト」ではないと断言する。

   私自身自分がアーティストということを意識したことは一度もないが、新たなものを創造していかなければならない想いはいつも堅持している。それは仕事をしていく上で、私に重くのしかかるテーマである。『国内外を問わず、作品発表の機会を授けて下さるそのご厚情に対し、荷の重いテーマであるが、真摯に日々それと向かい合うことで、主催者のご好意に少し報いる事が出来るかも・・・・・』。展覧会前後には、いつもの事ながら、ついこんなことを自問自答してしまう。


                                                     (05/18/2006)


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